Thank you !
どれ食べても味は変わらないと思う、と。
そう言ったきり、アコは憮然とした顔で正面を向き、黙り込んでしまった。
動揺を抑え込む為の行為だと理解はしながらも、どことなく、こうしたアプローチに対する耐性が付いてきているように思えて、面白く無い。
――どうせなら、こいつごと喰っちまえば良かったか。
一瞬、そんな考えが過ぎるが、払拭する。
こいつに耐性を付けやがった対抗勢力は気に掛かるところだが……今回は護衛にちゃんと俺を選んだからな。
大目に見ておいてやるよ。
そんな風に考えを纏めながら口の中のものを飲み込み、俺は、無然とした顔のままで屋台食を租借するアコを、じっと視界に納めた。
No1 【第7話-前編 より、赤毛隊長視点】
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