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「あぁっ、迷ってしまいますわ! 基本的に、アコ様の下半身は純白が好ましいのですけれど……そう見せかけて本番は黒! なんていう展開もアリですわよね! かなり滾りますわよね!」
ちらりと横目で見れば、変態……もといサリアが、黒い下着を眼前に広げながら妄想を口走っていた。
妄想発言はいつものことなので構いやしないが、同意を求められても困る。
何故なら私は、今回のドレスには白い下着が似合うと思っているから。
何せ、白いレース状のガーターベルトの予定だ。
サリアの意見は却下が妥当だろう。
「どうでも良いです。それよりその辺に血痕を残さないでくださいよ」
「大丈夫ですわ! わたくしはアコ様が何色でも全然イケますわっ!」
鼻血については彼女が手にした下着やら着用中の服やらに滴っているので血痕の問題は無さそうだが、サリアの頭の中身については、そろそろ心配した方が良いだろうか。
一瞬だけそんな思いが浮かぶが、そんなことよりも今はドレスの完成を急がなくてはならない。
私は勝手に興奮するサリアから視線を外し、アコのドレスを縫う作業へと没頭した。
No4 【第7話と8話の間辺り 第一王女専属女中視点】
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